みなさん、残暑厳しい毎日ですが
いかがお過ごしでしょうか?
今回は 血圧、腎臓、塩分との関係の深い
【カリウム(ポタシウム)】についてお話します。
Q.カリウムにはどのような働きがあるのですか。
●血圧を正常に保つ
ナトリウムを排泄して 血圧の上昇を防ぎます。
●腎臓の老廃物の排泄を助ける
腎臓におけるナトリウムの再吸収を抑制する働きがあるので、
ナトリウムを尿として体外へ排泄します。
また、尿酸やたんぱく質の燃えカスなどの老廃物の排泄を促します。
●筋肉の働きを正常に保つ
筋肉のエネルギー代謝を助けます。
また、カリウムとナトリウムの出入りによって、
神経伝達、筋肉の収縮/弛緩を助ける働きがあります。
例えば カリウムが腸内で働くと…
ぜん動運動を促し、筋力低下の便秘の場合には便秘解消に役立ちます。
Q.カリウムとナトリウムの関係を教えてください。
細胞内のカリウム濃度を高く保ち
そしてナトリウム濃度を低く保つことは、
細胞が生き生きと機能し、体が生命を維持するために不可欠
体内では、細胞内(血管外)にはカリウムが、
細胞外(血管内)にはナトリウムが多く含まれていて、
それぞれに一定のバランスを保っています。
カリウムの不足やナトリウムの過剰摂取により
『ナトリウムポンプ』という調節機能の働きの低下がおこると
血圧だけでなく、心筋をはじめとした筋肉にも影響がでてきます。
正常な体の細胞は、常に
●細胞内(血管外)のナトリウムを排出し
●細胞外(血管内)のカリウムを取り込み
それぞれの状態を正常化するための機能を備えています。
Q.カリウムが過剰になると危険だと聞きましたが、過剰になるのはよくあることでしょうか。
また、カリウムが過剰にならないように気をつけることはありますか。
まず 通常の食事において 健康な体の持ち主であれば
過剰摂取の心配はいりません。
必要以上に摂取したカリウムは迅速に排泄されるからです。
ただし…
調節機能を担う腎臓に
尿を生成出来ないほどの重大な障害を抱えていると
カリウムの過剰症になる危険性がでてきます。
また、糖尿病により
細胞内へのカリウム移行がスムーズに進まなくなる場合も
過剰摂取が問題化します。
Q.逆に、カリウムが不足して問題になることはありますか。
通常の食事をとっており、健康な体の持ち主であれば
体に異常が出るほどカリウムが不足する心配はほとんどありません。
Q.カリウムの不足はどのような時に起こりますか
■食欲不振による摂取不足がある場合
■慢性的な下痢や嘔吐により、消化管からの損失が増えた場合
■カリウムの細胞外(血管内)から細胞内(血管外)への取込みの増加する糖尿病に罹患している場合
■ナトリウム(塩分)の取りすぎ
Q.カリウムが多く含まれる食材を教えてください。
使い勝手が良く 多く含まれる順に出してみました。
■穀類:オートミール、スパゲティ、ライ麦パン、大麦(押し麦)、玄米
■豆類:きなこ、納豆、おから、あずき、緑豆はるさめ
■魚介類:煮干、かつおぶし、干し海老、いわし、鮭、まぐろ(赤身)
■肉類:鶏ささみ、豚ひれ肉、牛ひれ肉、鶏レバー、うま
■乳製品:脱脂粉乳、牛乳(特濃)、ヨーグルト(無糖)、カマンベールチーズ、カッテージチーズ
■野菜:切り干し大根、ほうれんそう、リーフレタス、かぼちゃ、ミニトマト
■果物:干しぶどう、バナナ、なつみかん、すいか、りんご
■海藻類:昆布(干し)、わかめ(干し)、ひじき(干し)、あおさ(干し)、のり(干し)
*海藻類は どの食品群と比べても ダントツで含有量が多いです。
*カリウムだけに特化して考えれば、肉類を除き<乾物>が上位に来ているのがわかります。
太陽の恵みを存分に受けた『自然のサプリメント』を上手に取り入れて、
家族もわんこもみーーんな元気で健康的な体つくりを目指しましょう!!
(文章:上級指導士 黒沼朋子)