Tomato
「トマトは野菜なんだよ」
「えーっ。果物でしょー」
子供の頃、こんな会話を交わしたことのある方も
少なくないのではないでしょうか。
かく言う私も、その昔、幼い頃は、
「トマトは果物だ」
と思っていた人の一人です。
さて、
トマトが野菜なのか果物なのかをめぐって、
裁判が行われたという事実があるのをご存知でしょうか。
時は1800年代、19世紀。
ところはアメリカでの出来事です。
もともと南米ペルー産であるとされるトマト。
「トマトが野菜なのか果物なのか、はっきりしてほしい」
と訴えを起こしたのは、トマトの輸入業者。
当時のアメリカでは、
果物には関税がかかりませんでしたが、
野菜には関税がかけられており、
輸入業者にとって、
『トマトが野菜なのか、あるいは果物なのか』
は大きな問題だったのでしょう。
裁判では、【果物派の植物学者】と【野菜派の農務省の人々】が
それぞれの持論・主張を展開し、最高裁まで争われたのだそうです。
結果、
●トマトは料理に使うことがあること
●デザートとしては食さない
等の理由で、
「トマトは野菜である」
という結論に達したということです。
日本でのトマトの歴史を見てみると、
日本にトマトが入ってきたのは江戸時代。
しかし、この当初、トマトは食べるものではなく、
観賞用として愛されていたようです。
実際にトマトが食べ物として食卓にのぼるようになったのは
今から100年ほど前のこと、とのこと。
現代の私たちにとって、とても馴染み深い野菜ですが、
その歴史は意外にも浅いものなのですね。
トマトの収穫量
1位/熊本県
2位/茨城県
3位/北海道
4位/千葉県
5位/愛知県
・甘いトマトの元祖としてあげられる「桃太郎」
・甘味、酸味の調和がとれた「おどりこ」
・お弁当の付け合わせに大活躍の「ミニトマト」
など、ひとくちにトマトと言っても、実に種類も豊富です。
※ミニトマトにも「ピンキー」や「ココ」、「シュガーランプ」等、たくさんの種類があります!
今や、ハウス栽培も含め、一年を通じて店頭に並ぶトマトですが、
やはり、旬は夏!
旬のトマトをたくさん食べて、元気いっぱいに過ごしたいものです。
食品図鑑『トマト』
◆旬
夏
◆主な栄養成分
リコピン:トマトの赤を作りだしているのがリコピン!
リコピンはカロテンの一種で、抗酸化作用があります
ビタミンC:リコピンと同じく、強い抗酸化作用があります
◆選び方のポイント
ヘタが濃い緑色で、ピンと元気なもの
※ヘタがしおれていたり、黄色がかっているものは鮮度が落ちている証拠です。
トマト全体の色が均一のもの
皮にハリのあるもの
持った時にずっしりと重みのあるもの
おしりの部分の放射状がはっきり出ているもの
◆調理のポイント
トマトの主な栄養素とされるリコピン等のカロテンは、
「生で摂るよりも加工されたものを摂るほうが2〜3倍吸収しやすいこと」
がわかっています。
また、リコピンの吸収性を高めるためには、
油を使った料理にトマトを加えることもおすすめです。
オリーブ油でたっぷりの野菜を炒め、トマトで煮込むラタトゥイユは、
夏野菜とトマトの栄養をまるごと摂れるメニューのひとつですね。
◆保存方法
ビニールの袋に入れるか、
あるいはラップにくるんで
冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。
(文章:上級指導士 鈴木美由起)