縄文時代から食べられていた雑穀!「あわ(粟)」

食品図鑑

あわは、草丈1.5mほどのイネ科エノコログサ属の多年草です。

穀類の一種。

原型は、道端や農地でよく見かける雑草のエノコログサ(俗名:ネコジャラシ)
と推定されています。

いわゆる五穀と呼ばれる穀物のひとつです。
五穀とは、米、麦、粟(あわ)、黍(きび)、および豆を指しています。

日本では、米よりも早い時点で栽培が始まり、縄文時代の遺跡からも発掘されています。

また、天皇家に伝わる「新嘗祭(にいなめさい)」の供物としても「あわ」が用いられ、
養老律令や清良記などにもアワの記述があります。

実(み)は直径1~1.5ミリと小粒で、色は黄色や白っぽい色です。
コロンとした丸い形をしています。

色が淡いことから、「淡い」→ 「あわい」 → 「あわ」との説があります。
比較的、味がパサパサしていて「あわあわ」していることからとの説もあります。

戦前には、粟だけを炊いて食べたり、粥にして食べたり、粟おこしとして食べる程度です。

現在では、健康食品のひとつとして、米と混ぜて炊いたり、雑穀米、五穀米、十二穀米、
十六穀米などとして食べることがあります。家畜、家禽、ペットの飼料としての用途もあります。

つぶつぶした食感で、雑穀の中では一番甘みもあるので、
古くからお菓子などにも使われてきました。

粘りのあるモチあわと、粘りの少ないウルチあわがありますが、
現在スーパーなどで売られているのはモチあわが多いようです。

米と混ぜて粟飯とする場合はウルチあわが適し、
団子や餅、菓子などにする場合はモチあわが適します。

食品図鑑 『あわ(穀物)』

◆旬

夏、秋 
収穫の時期から夏あわ、秋あわなどの品種に分けられます。


◆主な栄養成分

糖質70%、タンパク質10%を含み、ビタミンB群を含みます。
鉄、その他のミネラルや食物繊維も豊富なため、五穀米などにして食べる方法が見直されています。

主な栄養素 100gあたりの栄養価

たんぱく質 10.5g
脂質 2.7g
炭水化物  73.1g
食物繊維 3.4g
ビタミンB1 0.20mg
ビタミンB2 0.07mg
ナイアシン(B3) 1.7mg
パントテン酸(B5) 1.84mg
ビタミンB6  0.18mg
葉酸 29μg
ビタミンE 0.8mg
カルシウム 14mg
リン 280mg
鉄分 4.8mg
マグネシウム 110mg
カリウム 280mg

五訂日本食品標準成分表より


◆選び方

弾力のある食感が好きな方は、モチあわを、
米と一緒に炊く場合は、ウルチあわを。
用途に合わせてお選びください。


◆調理のポイント

(電子レンジで調理する場合)

まず、モチあわをボウルに入れて、米を洗うのと同じように洗います。

水を切る際には、粒が小さいので普通のざるでは網目からこぼれ落ちて
しまいますので、茶こしなど網目の細かいもので水を切るようにしましょう。

耐熱容器に洗ったモチあわと水を入れます。
基本はモチあわ1/2カップに対し、水が120mlぐらいですが、
商品説明があればそちらに従ってください。
水に浸した状態で30分~1時間ほど水を吸わせます。

ラップをして電子レンジで5分ほど加熱します。
加熱したらそのままの状態で10分ほど蒸らしてできあがりです。

(炊飯器などで調理する場合)

炊飯器で白米と一緒に炊く場合は、通常の白米を炊くようにして、
あとは洗ったモチあわを入れ、ほんの少し水を多く入れて炊きます。


◆保存方法

開封後すぐに密閉容器に移し、湿気を防いで、
直射日光が当たらない冷暗所で保存する。



(文章:新胡博一上級指導士

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