インカ帝国が繁栄したのも「さつまいも」のおかげ!

食品図鑑

今回の話題は「さつまいも」です。

私たちも大好きなさつまいもですが、ワンちゃんたちも大好きな食材ですよね。
まずは、さつまいもの由来をご紹介しましょう。

さつまいもは飢饉食!日本ではあの徳川吉宗が普及に貢献!!

さつまいもの原産地は南アメリカとされています。
アンデスやインカ帝国などの文明がこの地で栄えた原動力が、
とうもろこしやじゃがいもとともに、このさつまいもだと考えられています。

コロンブスのアメリカ大陸発見によりヨーロッパに伝わり、
大航海時代、世界中に広まったとされています。
 
さつまいもは、痩せた土地でもよく育つので
『飢饉食』として活躍しました。

日本へは、
16世紀末に中国から沖縄に伝わり、九州各地へ。
そして、関東へは…
 
1732年の享保の大飢饉により
西日本が大凶作に見舞われ深刻な食料不足に陥る中、
今日の長野県と鹿児島県では餓死者を出さなかったことから、
さつまいもの有用性を天下に知らしめることとなり、
八代将軍・徳川吉宗が、さつまいもの栽培を関東に広めたとされます。

その時活躍したのが
あの町奉行・大岡越前守忠相や儒学者の青木昆陽らでした。

青木昆陽は薩摩藩から甘藷(かんしょ)の苗を取り寄せ、
「薩摩芋」を江戸小石川植物園や上総の九十九里浜において
試験栽培し、1735年栽培に成功しました。

これ以後 関東一円に広がり、
その後、東日本にも広く普及するようになりました。

歴史的には、さつまいもは、「飢饉を救う食材」
として活躍してきましたが、1898年、従来のさつまいもより遙かに甘い突然変異種
【紅赤】を偶然発見され、その後の品種改良により、『飢饉食』から『美味しいおやつ』
へと役割が変わってきました。

 
さつまいもは、アサガオの仲間って知っていました?

さつまいも 【薩摩芋または甘藷:かんしょ 学名: Ipomoea batatas L.】
は、ヒルガオ科サツマイモ属の植物です。

別名
 ●甘藷(かんしょ)
 ●唐芋(からいも、とういも)
 ●琉球藷(りゅうきゅういも) 
とも呼ばれます。

仲間に、アサガオやヨウサイ(アサガオ菜)があります。
実際に、さつまいもの花はアサガオそっくり(写真)です。

世界の8割以上を中国が生産。国内では鹿児島が4割のシェア。

世界における生産量は1億3600万トンであり、
主食となるイモ類ではジャガイモ(同3億700万トン)に次ぐ生産量。

生産地域は中国に極端に集中しており、
その大部分は酒類等への加工用になります。

日本の生産量は103万トン(世界シェア0.8%)であり、
鹿児島県・茨城県・千葉県・宮崎県・徳島県
が全国のトップ5県。

この5県で全国の8割、
とりわけ鹿児島県は全国の4割を産していますが、
同県ではでんぷん原料用としての作付けが多く、
野菜としては、茨城、千葉、徳島が主要な産地となります。

ブランドとしては、
徳島県の鳴門金時や石川県の五郎島金時が有名ですね。
 
◎栄養価の高いさつまいもの活用方法
・さつまいもは、でんぷんが豊富。
・またビタミンCや食物繊維を多く含み、
 便秘やダイエットに効き目があるとして人気です。
・加熱してもビタミンCが壊れにくい特長があります。

また、60℃程度で長時間加熱すると、デンプンを糖化する酵素が働いて甘味が増すことから、
石焼き芋やふかし芋はこの性質により甘味を最大限引き出す調理法といえます。

さつまいもからはデンプンがとれ、主に春雨の原料となります。

原料としては、ご存じの通り、
芋焼酎のコガネセンガン(黄金千貫)が有名ですね。

 余談ですが…
  「かごしま黒豚」の定義では、肥育後期に飼料含量あたり
  【20%のさつまいもを与える事】が義務付けられているそうです。

  かごしま黒豚のうま味とやわらかさは
  さつまいもが原因と科学的に証明されているそうですよ。 
 

食品図鑑 『さつまいも』

◆旬

 秋9〜11月
 いまでは一年中出回っているさつまいもですが、
 9月から11月が旬になります。

 収穫してからある程度保存すると水分が抜けさらに甘みが増すので、
 貯蔵ものは1月から2月が熟成されて食べごろとなります。

◆主な栄養成分

 主成分は糖質のでんぷんです。
 主食になるほどの栄養価の高い食材です。

 食物繊維も豊富で便秘や生活習慣病の予防にも効果的です。

 さつまいもに含まれるビタミンCは、
 でんぷんに守られているので加熱しても壊れにくいので
 煮ても焼いても効率的に摂取することができます。

 できれば、
 皮ごとの調理が栄養を無駄なく摂ることができるのでお勧めです。
 皮には、抗酸化作用の高いポリフェノールの一種、
 アントシアニンが含まれています。

◆選び方のポイント

 形としては、両端が細くないふっくらしたものを選びましょう。
 全体がしまっていて、皮が剥げていない表面の凸凹のなく、
 ひげ根の跡が小さいものを選びましょう。

◆調理のポイント

 蒸しても、焼いても、煮ても、揚げてもなんでもOKな食材です。
 灰汁が強く、空気に触れると黒く変色するので、切ったらすぐに水にさらします。

 灰汁は皮の下にあるので、むく際は厚めにします。
 さつまいもは60度くらいで長時間加熱すると、
 でんぷんを糖化する酵素により より甘みが増すので、
 煮物等はじっくり煮込むのがポイントです。

 家庭で焼き芋を作る際は
 250度のオーブンで30分くらい加熱するとおいしくできます。
 ※食べ合わせとしては
  バターを乗せて、牛乳を飲みながらがベスト!?
 
 いもご飯、汁物の具やスープにしてもおいしいです。

 ご存じのスイートポテトや大学芋、甘露煮など
 デザートにもなる万能の食材です。
 素材そのものが甘いので、ワンちゃんも大好きです。

◆保存方法

 寒さに弱いので13度以下の場所や冷蔵庫に入れないようにしましょう。
 15度前後の通気性のいい場所で新聞紙などに包んで置くようにしましょう。
 水気があると腐りやすいので注意しましょう。

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