今回は、ネバネバ成分が多彩な効果を発揮する山芋(別名:やまのいも)についてのお話です。
山芋といえば、「ネバネバ」した食感で「ツルッ」とのどに入り、食欲がない時も食べることができる食材のひとつ。
山芋短冊やとろろ汁など生で食べることも多いですが関西ではお好み焼きの生地に入れたりします。
山芋入りのお好み焼きはふわっとした食感がたまりません!
あのふわふわ感が大好きなワンちゃんネコちゃんも多いのではないでしょうか?
「山芋」という名前は、もともと「山で取れる芋」の総称で、対して「里芋」は「人里で作る芋」として使い分けられていたようです。
現在日本では、
●長いも
●やまといも
●いちょういも
●自然薯(じねんじょ)
などの種類が見られます。
☆「むかご」は自然薯や長いもの芋が地上にできたもの。
日本での歴史は意外と古く、一説には縄文時代から栽培されていたといわれています。
長いもの仲間は中国から渡来し栽培され、平安貴族の間では自然薯を使った
「芋粥」
を珍重していたとか・・・。
確かに、昔から滋養強壮効果は有名ですし、いも類の中では唯一、生で食べることができて消化によい、とくれば、昔の人達も放ってはおきませんね。
保存にも向いており、昔からいろいろな料理となって人々に親しまれてきたのでしょう。
ちなみに「自然薯」は読んで字のごとく、山野に自生する天然の山芋のことを指します。
対して、
長いも
やまといも(別名つくねいも)
いちょういも
は栽培種。
このように種類はいろいろありますが、成分はほぼ同じで水分の量や粘り気によって使い分けられているようです。
また、頻尿や夜間排尿過多にも優れた効果を発揮し、中国では糖尿病の治療薬としても使われるそう・・・。
アクが強いので調理時やお口の周りがかゆくなるのは少々つらいですが、小さい子からシニアまでぜひぜひ使っていただきたい食材です。
山芋の皮を剥いたり擦りおろす時、手がかゆくなる場合がありますが、皮を剥いたり擦ったりすると、皮の付近にあるシュウ酸カルシウムの針状の結晶が壊されてバラバラになり、手にささってかゆみが発生します。
シュウ酸カルシウムは【酸に弱い】という性質を持っているのであらかじめ酢水につけてから料理すると、かゆみが起こりにくくなります。
またアクが抜けるので、変色を防ぐ効果も♪
シュウ酸カルシウムは、皮のすぐ下にあるので少し厚めに皮を剥くとよいですよ。
かゆみが起こった時は、レモン汁をかゆい部分につけたり酢を薄めたもので軽く洗い流すとかゆみがいくぶんおさまります。
生で食べるもよし!加熱するもよし!
加熱すると消化酵素の働きこそ落ちますが、加熱した時のふわっと感はまた格別!
その日の体調や気分に合わせて生でも加熱でも、いろいろな食感を楽しんでくださいね♪
食品図鑑『山芋』
◆旬
秋
◆主な栄養成分
●でんぷん
●でんぷん分解酵素:アミラーゼ(ジアスターゼ)
●カリウム
●食物繊維
◆選び方のポイント
・皮に凸凹や傷がなく土がついたもの
・ずっしりと重いもの
◆調理のポイント
・アクが強く変色しやすいため、 皮を厚く剥き早めに酢水につける。
→手がかゆくなりにくい。
・加熱すると消化酵素の働きが落ちるのでとろろ汁などにする場合は、だし汁の温度を40〜50度にして冷ましてから加える。
◆保存方法
・丸ごとなら新聞紙に包んで冷暗所へ
・長期間保存する時は、土の中に埋めてしまう方法も!
・すりおろしたものは冷凍保存も可能です。