まず、野菜や果物にどれくらいの量のキシリトールが含まれているかをネット上で調べてみますと、「日本フィンランドむし歯予防研究会」のサイトに、資料がありましたので、このデータを元に検討してみます。
上記サイトによれば、
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野菜・果物 キシリトール含有量
(mg/100g 乾燥重量)
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イエロープラム 935
イチゴ 362
カリフラワー 300
ラズベリー 268
チコリー 258
ナス 180
レタス 131
ホウレンソウ 107
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だそうです。
こうなると、「150mgのキシリトール量で低血糖になった」例があるわけですから、この数字だけを何となく見てしまったら、ビックリしてしまいますよね。
ところが、その判断はまだちょっと早い!んですね。
上記の量は果物の乾燥重量100g中の量ですから、通常の量に換算する必要があります。
それぞれの水分含有量を調べますと
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野菜・果物 水分含有量(%)
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イエロープラム 88.6
イチゴ 90.0
カリフラワー 90.8
ラズベリー 88.2
チコリー 94.7
ナス 93.2
レタス 95.9
ホウレンソウ 92.4
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そして、換算した結果、
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野菜・果物 キシリトール含有量
(mg/100g 湿重量)
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イエロープラム 120
イチゴ 40
カリフラワー 30
ラズベリー 36
チコリー 14
ナス 13
レタス 6
ホウレンソウ 9
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では、いよいよ、これらをどの程度の量摂取したら、この論文で問題視している量になるのかを計算してみると…
以下の量は、体重1kg当たりの量ですから、「チワワが下記量を食べたら…」
もしくは「私が食べたとしたら…」と想像しながらお読み下さい。
ちなみに、あなたの体重の5%量は、どのくらいの量かというと…
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あなたの体重(kg) 5%量(kg)
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30 1.5
40 2.0
50 2.5
60 3.0
70 3.5
80 4.0
90 4.5
100 5.0
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いかがでしょうか?
同じものを上記の量食べられますか?
イチゴを1.5キロも食べられますか?
それって、健康に良さそうですか?
その印象を大切にしながら、次の表をご覧下さい。
基準として、ガイドラインの100mgを摂取出来る量はどのくらいか?を考えてみましょう。
もちろん、食材に含まれている量とオヤツに含まれるキシリトール量を単純比較はできないのですが…。
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野菜・果物 100mgのキシリトールを
含む野菜・果物の量(g)
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イエロープラム 83(体重の8.3%)
イチゴ 249(体重の約25%)
カリフラワー 329(体重の約1/3)
ラズベリー 279(体重の約1/3)
チコリー 693(体重の約2/3)
ナス 761(体重の2/3以上)
レタス 1,786(体重の約1.8倍)
ホウレンソウ 1,136(体重の約1.2倍)
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この結果をご覧になって、あなたはこの量を食べられそうでしょうか?
この計算結果を見て、どう判断されるかは、あなた次第です。
先日、某テレビ番組で、大食いで有名なギャル曽根ちゃんが、9kgドンブリに挑戦していらっしゃいましたが、7kg食べたところで、「口飽きしてきた」ということでギブアップなさっていました。
ところが、そのギブアップ直後に「さっきから気になっていた」ということでラーメンを食べていましたから、確かにもう少し食べられるのかもしれませんが、彼女は43kgです。
43kgの女性→7kg(体重の約1/6)食べてギブアップ
1kgのチワワ→イチゴを249g(体重の約1/4)食べる???
1kgのチワワ→レタスを1.786g(体重の1.5倍以上)食べる???
なんか、違う理由で死んでしまいそうです。
結局、野菜や果物の通常摂取量で、問題になるほどのキシリトール量を摂取することは難しい!
ということが、須崎の見解です。
ですから、去年まで、毎年参加していた「愛犬と共に行くイチゴ狩りツアー」で今まで何もなかったわけですから、キシリトールの事件を知ったからと言って、「知らなかったとはいえ、ゴメンね」などと犬に謝ったり、今年から行くのを取りやめる必要はないのです。
もしそれで今年から問題になるとしたら、それはキシリトール以外の原因(農薬など)であって、イチゴの問題では無く、それはそれで別の問題だということです。
イチゴに限らず、今まで食べられていたものが、急に「危険な食材」になるとき、それは食材そのものの問題「以外の原因」を疑うことも大切なのではないでしょうか?
以上が、今回のレポート(簡易版)でした。
確かに、キシリトールを犬に摂取させることは問題なのだと思います。
それは、周知しておくべきことと思います。
だからといって、「キシリトールが入っているからイチゴは危険です」「イチゴ狩りツアーに行くのは止めましょう」とはならないんだということを、ぜひ、冷静にご理解下さい。
特に、ペットのお菓子を販売しているところが「念のため」などと言う言葉を添えて販売を控えると、「やっぱりそんなことがあるのか?」などと、勘違いする一般の飼い主さんが増えて来ます。
食に関わる仕事をなさっているならば、不必要に不安を煽ったりせず、大切なお客様に、しっかりと線引きができる「正確な情報提供」をしていただきたいものです。
「犬にキシリトールは有害なのか?」の件で、悩んでいる飼い主さんに、ぜひ、この情報を教えてあげてください。
もっと詳しく学んで見たい方はペット食育協会主催 『NG食材講座』にご参加下さい!
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