手作り

ストイックな栄養価計算は必要か

これに対する答えは、90%No!という感じです。

これは、栄養価計算を「してはいけない!」という意味ではなく、
「毎食ng単位まで計算することが楽しい!」
という方はそのまま行っていただいて結構ですし、
「電卓を見るのもイヤ…」という方は、
大体の目安で大丈夫ですという意味です。

須崎は、これまで20年間
「家庭のペットに手作り食という選択肢を導入する」
アドバイスを行って参りました。

導入当初は飼い主さんもヤル気満々で、
こちらも表計算ソフトで
キッチリ栄養価計算をしてレシピを作成し、
お渡ししておりました。

しかし、数ヶ月後に
「改善した」というお礼のメッセージをいただくのですが、
99%の飼い主さんが「難しくて続かなかった…。

だから途中で自己流になった…」などの理由から、
当初のレシピとは異なる食事内容になっていました。

でも、状態は改善しているのです!!

私がやりたいことは、「難しい食生活の提案」ではなく、
「健康状態の回復」ですから、結果よければ良しです。

そこで、試験的に目分量だけ伝えて
あとは飼い主さんに任せるアドバイスを行ってみました。

それはそれで、
今度は「何でもいいといわれても困ります…」
と言われるのですが、そういう方にはレシピを作成はしました。
すると、改善率はほとんど変わらず、
こちらの方が飼い主さんにも「楽だから続けられる!」と好評でした。

こんな経験から、
ストイックな栄養価計算は必ずしも必要ではないと考えております。

ただ、この言葉が機能するためには、
飼い主さんの食生活の感覚が重要です。

適切ではない食生活を続けていて、
「このままではまずいのはわかっている。」
という方でしたらいいのですが、
インスタント食品が続いても何とも感じない方の場合は、
「ご自身の感覚はちょっと脇に置いて、まずは本の通りにやってみましょうか?」
というアドバイスが必要なのかもしれません。

もちろん、体調によってはストイックなアドバイスも行っておりますが、
それは深刻な状態であり、元気なうちは、
ペットフードが流通するより前がそうであったように
「食べて危険でないものを、いろいろ食べさせる」ことが、
ペットにとっても飼い主さんにとっても、理想的な食生活なのだと思います。

少なくとも、「ヒトとイヌ・ネコは身体のつくりが違うのだから、
厳密な栄養価計算をしないと絶対に病気になる!」という意見は、
診療現場の経験からも、歴史的にも、
「大きな疑問が残る」と思うのは、私だけではないはずです。

もっと多くの方が、
楽しく愛犬・愛猫との時間を過ごしていただけるよう、
これからも「ただ不安を煽るだけの情報ではなく、
適切な情報発信」をしていこうと思います。

ご期待下さい。

 

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