とかくこの世の中は、
●ペットフードか?
●手作り食(加熱)か?
●生食(非加熱)か?
「どれが最適か?」
という議論が続いております。
SNSでも、「オレが正しい、お前が間違っている!」的なマウント取り合い合戦が
盛んな某SNSがあり、
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もう少し冷静に議論しようよ…強い言葉を使って相手を黙らせるのは余裕がなくて、
自信なさげにうつって、かっこ悪いよ…
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という印象を受けると、敬遠されてたりします…。
そんな中、つい先日の9月20日に発表されたこんな論文をご紹介します。
大切なことなので先に申し上げておきますが、科学の大前提は
【条件が変われば結果も変わる】
であり、
「この論文の条件ではこうなりました!」という意味であって、
それが正解でも、他が間違いでもありません。
ただ、こういう条件でやったらこうなった!
という【事実の報告】なので、その点、よろしくお願いいたします。
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ラグドール猫における異なる加工食が成長パフォーマンス、血液パラメーター、毛質、糞便中の微生物に与える影響
Effects of Different Processed Diets on Growth Performance, Blood Parameters, Hair Quality and Fecal Microbiota in Ragdoll Cats
Animals (Basel), 2024 Sep 20;14(18):2729.
著者: Peng Wang、他
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要約:
近年、ペットの猫に適した食事について、
特に
●押し出し乾燥フード
●調理済み肉、
●生肉
という3つの選択肢を巡る議論が続いています。
猫の健康的な成長に最も適した食事を決定するには、まだ多くの実証的な証拠が必要です。
本研究では、ラグドール猫(各グループ5匹)に押し出し乾燥フード(ED)、
調理済み肉(CM)、生肉(RM)を与え、それが成長パフォーマンス、
見かけの消化率、毛の状態、血液パラメーター、糞便スコア、および腸内微生物組成に与える影響を評価しました。
◆成長の違い◆
結果から、異なる3タイプの食事がラグドール猫の日々の【体重増加】に大きな影響を与えないことが示されました。
◆消化率の違い◆
CM(調理済み肉)グループは、ED(乾燥フード)グループと比較して、乾物、脂肪、タンパク質の消化率が有意に改善しました。
ただし、RM(生肉)グループと比較して、脂肪の消化率に有意な改善は見られませんでした。
◆毛の状態の違い◆
ED(乾燥フード)グループと比較して、CM(調理済み肉)グループとRM(生肉)グループの両方で毛の状態が有意に改善しました。
◆糞便スコアの違い◆
ED(乾燥フード)グループと比較して、CM(調理済み肉)グループとRM(生肉)グループの両方で糞便スコアが有意に減少しました。
◆血清抗酸化能力の違い◆
また、CM(調理済み肉)グループとRM(生肉)グループでは、血清抗酸化能力が向上しました。
◆腸内細菌の違い◆
ED(乾燥フード)グループでは、ラグドール猫の腸内で有益な細菌の豊富さが増加しましたが、
CM(調理済み肉)グループとRM(生肉)グループでは、猫の元々持っている腸内微生物が強化されました。
◆まとめ◆
これらのデータから、CM(調理済み肉)がラグドール猫に最適な食事である可能性が示唆されましたが、腸内微生物に関するさらなる研究が依然として必要です。
本研究の結果は、純血種の猫の飼育目的に参考になる情報を提供します。
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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39335318/
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という内容です。
この論文の中で、【消化率】を比較した実験で
●調理済み肉が生食よりも消化率が高い
●逆に押し出し乾燥フードが一番低消化率
という結果になりました。
この結果から、「生食は加熱食よりも消化率がいい」とは一般化できないことがわかりました。
過去の研究でも、調理された鶏肉は生の鶏肉よりもアミノ酸の利用可能性が高いため、
調理が生の鶏肉に勝ると示唆されています。
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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30535325/
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これは、タンパク質や脂肪が加水分解されて小さな分子に分解され、消化・吸収が促進されるためと考えられます。
この結果は、ウェットフードを選択するペットオーナーが、
適切に給餌量を減らすことで体重増加を抑制し、関連する健康リスクを防ぐのに役立つことを示唆しています。
さらに今回の論文結果から、RM(生肉)の消化率はCM(調理済み肉)よりも低く、
これは生肉食がより高い消化率を示すという一般的な考え方に反するかもしれません。
とは言っても、
消化吸収率がゼロではないし個体差もあるし、
でも「加熱したら消化できない…」という訳ではないとわかったら、
変な呪縛「生食でなければ…」から解き放たれる方もいらっしゃるでしょうし、
【選択肢】も増えますよね。
この論文では、アレダメ、コレダメと言っているわけではなく、
「比較したらこんな差がありました。」という話をしているだけなので
熱くののしり合う話でもなく「あー、そうなんだ…」と冷静に反応できる内容だと思います。
残念なことにコロナ禍を経て「エビデンス」を唯一無二の正解と
【誤解】する人が増えた印象があります。
あくまでもエビデンスは可能性の話で100%でもなければ0%でもないので、
「そんなこともある」という話ですから絶対視して金科玉条のごとくかかげて
そこに全例当てはめないといけないとかそこから外れる選択をせざるを得ないコトモアルのに、そのことに対して
罵詈雑言を浴びせかけて自分を正当化したり
強い言葉で相手を黙らせることに慣れた【正解信仰に入信した人】がときどき目に止まりますが
見る世界を拡げて、エビデンスの本来の意味を思いだそうよ!
いろんな条件を無視して全部一緒くたに混ぜて作った統計データにどれ程の意味があるのか?
もう一度考えてみよう!個体差って大事だよ?
という視点をもって、あまり他人を攻撃したりしない方がいいのではないかと思います(^▽^)V
「そんなこともある」って考えはとても大事です。 d( ・ω・)