「うちの猫は海苔が大好きなのですが、ネットの猫友さんから、
『海苔は腸に張り付くから危険です』といわれました。
いままで10年以上も食べさせてきましたが、
ほとんど動物病院のお世話になっておりません。
症状が出ていないだけで、
問題が隠れているのではないかと心配です。
大丈夫でしょうか？」
というご質問をいただきました。
答え一発！
全く心配ご無用です！
皮膚のターン・オーバーが28日な様に、
腸粘膜のターン・オーバーは5～7日です。
仮に、万が一にも張り付いたとして、
一週間程度で剥がれるので、何ら問題ございません。
もし、剥がれないのでしたら、
それは海苔が問題なのではなく、
腸の問題で、解決すべき問題が他にあるということです。
もちろんその場合、
「だから海苔を食べてはいけない」というのは間違った誘導で、
本質的に解決すべきなのは
「なぜ、腸が正常に機能していないのか？
その原因は何で、どうやったら原因を排除できるか？」です。
また、「そもそも、この話の出所はどこか？」も重要な情報です。
ペットの食事に関する話題には、
この様に、「その出来事が『瞬間的に』起こるかもしれないけれど、
身体には調整能力があるために特に問題ないのだが、
情報提供が十分に成されなかったために
する必要のない心配をさせられてしまっていること」がよくある様です。
診療で飼い主さんの相談にのっておりますと、
よほどスッキリしていただけるのか、帰り際に
「何でこんなことに悩んでいたんだろう？」と言っていただけます。
これからも、理論上でも、
実際に確かめた上でも適切な情報提供をしていきたいと思います。
