ペット食育協会の指導士の方々(准指導士、指導士、上級指導士)は、
セミナーなどを通じて飼い主さんのご質問にお応えしております。
私の所にも、
「この様なご質問をいただいたのですが、どう思われますか?」
という問い合わせがよく届きます。
その中でよく目立つご質問に、
「カルシウムを充分に摂取して丈夫な骨を作りたいのですが、
何をどのくらい食べたらいいでしょうか?」
というご質問があります。
恐らくこの質問を下さった方は、
前提に「カルシウムを摂取しさえすれば、骨が丈夫になる」
とお考えだと思うのです。
「何を当たり前のことを…」と思われるかもしれませんが、
実はそれは必ずしも正しくはありません。
まず、必要な栄養素はカルシウムだけではありません。
「さまざまな栄養が必要」なのです。
ですから、
いろいろなものをまんべんなく摂取する必要があります。
また、十分な量を摂取できたからといって、
必ずしも骨が丈夫になるとは限りません。
というのも、丈夫にするかどうかは、身体の指令によります。
必要なときに必要な栄養素がなければ骨は弱くなる可能性はありますが、
身体がそれほど必要ではないときに、
過剰に摂取しても、摂取しただけ活用されるわけではありません。
また、骨への物理的な負荷がかかることも重要です。
宇宙飛行士が宇宙空間(重力が弱い)に行くと、
いくらカルシウムを大量に摂取しても、
骨が丈夫になるわけではないことは多くの方がご存じかと思います。
カルシウムを大量に摂取して、一日の大半は退屈そうに寝てばかり…。
これでは、目的を達成することは難しいのです。
ペットの栄養学的な情報には、この様なものが少なくありません。
しかし、文字だけでではなかなか、
充分伝わらないことも、これまでの経験上よくわかっております。
これからも、「膝と膝をつき合わして語ればこそわかる」を大切に、活動していきたいと思います。