手作り

 勉強していない人や知識がない人が、
犬猫の手作り食を作ると・・・

セミナーをしておりますと、飼い主さんからタイトルの様なことを言われることが、だいぶ減ってきましたが、まだまだ多いものです。

「『勉強していない人や、十分な予備知識がない飼い主が、ペットの手作り食を作ると栄養バランスが崩れて病気にしてしまう』と言われたんですけれど、本当ですか?」

確かに、栄養バランスが崩れた「まま」「何ヶ月も過ごす」と、病気になる「可能性」はあります。

しかし、いくつか気をつけるべき事を知っておけば、栄養バランスが崩れて病気になったりせずに対処出来るものです。

実際、それでうまくいっている飼い主さんが沢山いらっしゃるわけですから、頭ごなしに「手作り食は危険だ!ダメだ!」と否定することもないのではないでしょうか?

と申し上げると、「何かが起こったらどうするんですか?」と聞かれることがあります。

 

「何かがあったらどうするんですか?」

おそらくこの様なご質問をなさる方は、かつての私の様に「毎食栄養バランスが適切な食事をしないと、『スグ』病気になる」と認識されているのだと思います。

だから、「大切なペットに何かが起こったらどうするんだ?」というお気持ちになるのはよくわかります。

しかし、前回も書きましたが、身体には素晴らしい調整能力があり、「外からの影響で内部環境が大きく変動しないような仕組み→ホメオスタシス」があるため、昨日焼肉で今日野菜鍋という、それぞれの食事はバランスが取れていなくても、12週間でバランスを取れば大丈夫な様になっています。

ですから、「このレシピはカリウムが多い!」などと一皿を分析してダメだ、ダメだ!と喧伝する方がいらっしゃいますが、そんなことをする必要はないのです。

 

そして、「もし、何かが起こる可能性がゼロでは無いのだとしたら、手作り食は危険で食べるべきではない」という基準で考え、行動されるなら、「同じロットで何千頭も死亡事故を出したことのあるペットフード」は一切食べられなくなってしまいます。

しかし、ペットフードは安価で便利なので、「食べてはいけない」ことになると不便ですし、それを使えないのは惜しいですよね。

 

ペット食育協会(APNA)でも、ペットフードを完全否定したりしておりません。

「ペットフードも、手作り食も、両方選べる知識を付けましょう!」というスタンスです。

「あれダメ!これダメ!」
と制限がかかると、問題解決が難しくなりますからね。

だとしたら、いくつか補足的に知っておくことで、安心できることが増えてくると思いますので、今回はその点を解説させていただきます。

 

確かに全く知識が無かったらリスクが高くなるケース「も」ある

よく、手作り食の引き合いで出されるのが「キャベツとササミだけ」というレシピ(?)です。

このシンプルな食事を長期間続けていたら、栄養素が不足するのは当然です。

ですから、「トマトダイエット」の様な単品ダイエット食のブームにのってしまう方は、注意した方がいいかもしれません。

ほとんどの方は、そういう一過性のブームは「一過性のブーム」として理解した上で、普段通りの食事に追加する形で、トマトを一品追加するなど、適度にブームに乗っている方がほとんどです。

しかし、確かに人間でも、単品ダイエットで体調を壊す方がいらっしゃって、ニュースになったりもします。

ただ、それで亡くなる方はほとんどいらっしゃらず、仮に体調を崩しても、適切な医療処置で元に戻ります。

ですから「ほどほどにね」でいいわけであり、「トマトは危険です!」とはならないのです。

一方で、それこそヒトとイヌ・ネコの違いで、ヒトでは大丈夫なのに、イヌ・ネコはダメという食材も確かにあります。

そういう最低限気をつけることを学んで、あとは取り組みながら調整していけば良いのです。

確かに、ペットの栄養学は学ぶことが沢山ありますが、それはヒトでも同じです。

ところで、あなたは、ヒトの栄養学を完璧に理解していらっしゃいますか?

 

完璧な勉強はヒトの栄養学同様、最初から不要!

大学で研究をしている学者さんですら「完璧」な人などいません。

勉強をすればするほどわからないことが増えてくるのが普通ですから、むしろ、研究をすればするほど疑問が増えて来て、慎重になる傾向にあります。

ましてや、台所に立つ方が「完璧な栄養学の習得」など出来ているわけがなく、前回の記事でも書きましたが、身体には素晴らしい調整能力もあるので、完璧な知識など習得できないし、追求することは悪いことではありませんが、最低限の知識で充分です。

そして、何事も追求すれば奥が深のは普通なので、追求したければ、ドンドン学べばいいのです。

===
最初はハードル低くスタートし、徐々に精度を上げていく
===

これは、どんなジャンルでも習得のステップとして同じなのではないでしょうか?

それなのに、
「中途半端な知識で手作り食をすると栄養バランスが崩れて病気にさせる」
とか、
「手作り食をすると栄養バランスが崩れて死ぬ」
などとネット上に書かれると、それを完全否定する材料もない飼い主さんは、不安になってしまいますよね。

 

中途半端な知識はダメ!?

おそらく、その様な記事を書いている方も、あなたを不安にさせようとしているのではなく、注意喚起の目的で書いてくださっているのだと思います。

そのためにいろいろ調べて書いてくださるのですから、ありがたいことですよね。

でも、表現が強すぎるので、「絶対にダメ!」という解釈になりがちなのだと思います。

ですから、その様に調べて書いてくださったことに感謝をしつつも、「あっ、これは注意喚起なんだな。」と解釈することが大事で、不安に思う必要はないのです。

 

してはいけない事を知ることから始めよう!

それでも「知識が無いからダメ」という点が引っかかるなら、

1.絶対にしてはいけないこと

を知ることから始めたらいいでしょう。

そして、順番に、

2.絶対にしなければならないこと

3.しない方がいいこと

4.した方がいいこと

を学んでいけばいいのです。

 

ハードルの低いところから始めてみませんか?

私は1999年から24年以上も飼い主さんにペットの手作り食のアドバイスをしてきました。

途中、スカイパーフェクTV!で4年間もペットの手作り食番組のレギュラーを担当させていただきました。

著作も24冊上梓させていただきました。

雑誌の取材・特集記事・連載も多数担当させていただきました。

まだまだ学びの途中で完璧ではありませんが、飼い主さんの悩みに一つ一つ対応させていただき、沢山の「誤解・不安・心配を解消する相談」にのってまいりました。

そんな経験から、「知らなければ、本で勉強すればいい!」そう思って、著作を書かせていただきました。

しかし、文字で書かれていても、やはり不安がある、疑問があるという方も多く、診療や電話相談、セミナーの質疑応答など、実際の悩み相談から、「これを知っておけばひとまず大丈夫!」という内容を盛り込んだのがペット食育協会の「入門講座」です。

 

文字ではなくセミナーにこだわる理由

文字のやり取りよりも、実際にヒザを突きつけて話し合うとよく理解できるという現実がございます。

そして、現在の自分は「現在の状態を作り出すことに成功している」という事実から、インターネットで勉強すると、不安や疑問が増えるという現実もございます。

ということは、文字だけ、そしてインターネットで調べて勉強しても、結局
不安が増える
誤解する
偏った意見の先入観が出来る
そうは書かれていない様な解釈に着地する
などの結果になることが少なくない様です。

実際にセミナーを受講した方からは、

「本を読んでも、正直よくわからなかったけれど、実際に話を聞いたらよく解った!」

と、言っていただけることがほとんどです。

この様な理由と経緯から、対面でお伝えすることが、もっとも「正確に理解できる」と経験上わかっております。

その様な理由から、文字ではなくセミナーでお伝えし、今までの悩みや不安、偏った意見に囚われていたことを解消し、適切な理解に変えていただける活動を通じて、飼い主さんに

===
フードも手作り食も自信を持って選択・使い分けできる状態
===

になっていただける活動を行っております。

 

知っているだけ使いこなせる人

知識を知ることはそれほど難しいことではありません。

しかし、それらの情報を使いこなせる様になるには、「知っているだけ」で満足していてはダメで、脳に定着させることが重要です。

では、どうやったら定着させることが出来るのでしょうか?

脳に情報を定着させる基本は、「自発的な意欲を土台にして、頻繁に触れた情報は記憶される」という原理原則に従うことです。

一度聞いたぐらいでは、使い物にならないことがほとんどですし、突然やって来る絶妙なタイミングで、学んだ知識が口からとっさに出てきたり、行動に反映される様になるまで、同じことを繰り返し繰り返し学ぶことが大事なのです。

 

ですから、過去に聞いたことのある情報に触れたときに、「なんで二度目なのに実生活に反映されていないんだろうよーしっ!次回触れるときまでには、自分のものにしておくぞ!」と気持ちを切り替えることが大事で、間違っても「あっ!これ知ってる!」などと思って、油断してはいけないのです。

実際、ペット食育協会の指導士の方々は、自分の口で適切に解説できるようになるまで、繰り返し繰り返し、学んでいらっしゃいます。

この様に、情報は、使いこなせるように準備しておくことが大切なのです。

もちろん、その情報は、質の良い情報であることが望ましいでしょう。

ペット食育協会では、全国の実践情報のみならず、獣医師などの専門家が読む、客観的なデータが掲載されている学術論文情報情報も合わせて、わかりやすく学んでいただけますので、質の点ではご安心いただけるよう、配慮しております。

「ここに行けば、全て学べる!」

そんな場所を目指しております。

学んだら、伝えられる人になってください

また、ペット食育協会(APNA)は、適切な情報を普及することで、一人でも多くの飼い主さんの不安や悩みを解消し、ペットの食事に自信を持てる様になっていただくことが目的です。

そのために、ペットの食事の入門講座を中心として、啓蒙活動を行っております。

もし、あなたが手作り食に不安を感じているなら、そして、あなたの周りの不安な飼い主さんにキチンと情報提供できる様になりたいと思うなら、ぜひ、ペット食育協会を活用して「な~んだ、そういうことなのか!」と安心してください。

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